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第4章 告白

そんなひどい仕打ちを受けても
アイルは誰にも助けも求められず

たった一人で…まわりの大人も
警察も 彼女を救う事もなく

その上、自分の親にまで見捨てられたアイル


そんな彼女を想うとオレは涙が止まらなかった


『アイツずっと…
あんな好みに見合わない格好してるのは
二度とこんな目に遭いたくない
という、強い思いなんじゃないのかァ…?』



『~~っ…っっく…』



『リョウキ…お前が悔しがっても
苦しんでも何にもならない
アイルが救われるワケじゃないだろ?』



『オレ…アイルになんてことを』




『今日の事だって、お前のせいじゃない!

アイルの背負っているものだ…仕方ないんだ
アイル自身が乗り越えるより他ないんだ…

それに…何度も言ってるだろう?
あくまで俺の臆測だと…』





ソウタさん…無茶を言う人だ


無理だろう



そうか…まぁひとつの説だ~
なんて流せる話じゃない



オレに〃臆測〃と言うが
相応の〃根拠(なにか)〃があって
言っているだろう




まして当時のアイルを知るソウタさんならば。



それに…恐ろしいほどに気付く




ソウタさん曰くの〃仮説"を
パズルのように当てはめていくと…



不審点だらけのことが
ピタリピタリと埋まって
辻褄が合っていくことに



それ以外の事実など…どこにもないかのように



『アイルなら大丈夫だ。きっと立ち直れる。
~それに最近は、あの子も~…』



『ゴホ……~ゴホ』




ソウタさんの言葉が段々遠のいていく




これまでにない吐き気に耐えきれず
嘔吐したオレをソウタさんが
介抱してくれていた。



ガラリと変えた服装…



思い出さない為でもあるかもしれない。




明るくオシャレが大好きだったアイル…


鬼畜なソイツが
アイルから奪ったものは

とどまることない…
計り知れないものだ





端からみたらバカな話だ



もしも仮にアイルが露出の多い服や
ハデな服を着ていたとしても


そんな目に遭わなければならない道理はないし

加害者である相手に正当性など認められない



アイルに非なんてない

何ひとつ



それなのに彼女は
自分らしさや楽しさを完全に押し殺して…
フラッシュバックに怯えて今も生きている

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