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Best name

第32章 最高の名前

『アイル・・・!!

しっかりして!もうすぐ病院だよ』




『うっ…ハ・・・・イ。うぅ・・・ぃ…たぃ…』




間違いなく

見たこともない…アイル




ひどくひどく…苦しそうなアイル。




『うっ…ハァっ…ハァっ・・・っ…っ…ぅっ』





あんまりに辛そうな

その姿だけで涙が出そうになる。






『アイル・・・がんばれ

もうチョットで・・・着くからな…』





動揺しまくりなオレは

バックミラーで

後ろのアイルをチラチラ見ながら

なんとか声を出していた。





とにかく・・・無事に着かなければ…。








『ォナカ…ぃた…い…っ。うっ…マナさ…』




『アイル!!しっかりね!?

ホラ・・・ふか~~く息して?』






『ハァっ…ハァー・・・っ…うっ…ハァー…っ』




『うん!アイル上手だよっ!頑張って』







泣き声もあげずに

必死に耐えるアイル…。










男なんて

なんにもできないんだよな・・・。











男なんか・・・こんな時

なんもしてやれない・・・。











命を産み出そうと

必死なアイルの姿をみて…









そして

自らも身重なのにもかかわらず

アイルの手を握り

必死にアイルの背中や腰をさすっては

声をかけて励ます・・・マナさんの姿を見て







つくづく・・・そう思う。










女の人は・・・・・・・つよいな。

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