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第1章 舞い降りた君

細身のパンツにゆるめのTシャツ…。


髪は無造作にポニーテールにしてる。


店の子か?…にしては随分と地味というか
飾り気がない。


まさか?


と遠目にじっとみていると
二人組の男が女に近づいていく。

…どうやら店に居合わせた客だ。
帰ったんじゃなかったのか?



『カーノジョ?今から飲み直しに行かない?』
『…』


声は聞き取れる。女の方は答えない。


なんだ、ナンパか。


そのまま遠目に傍観した。
前方を男二人に遮られている。


くるり。


女が向きを変えた。

反対方向に向かおうとしたようだが
そこをもう一人の男にふさがれる。


『ジャマ…どいて』


その声と共に顔が確認できた。



やっぱり…?
あのアイって子だった。



『チョット冷たくない~?
少しくらいいいでしょ』

『…仕事おわったから』

『おわったんならいいじゃん!
あそびいこ!ねっ!』



……~。

バカが。

意味がちげーだろ意味が!


心で男二人にツッコミながら
タバコをねじり消した。


その時。


もう話にならない二人の間を
強引に抜けようとした彼女の肩を
男が思いきり掴んだ。



『アイソねえなぁ…来いよっ!』

『!?…っっ!…』




咄嗟に
男を振り払おうとした彼女の表情…



びくっ!っと震えた体…



それと同時に

オレの身体が……




勝手に動いていた。

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