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第7章 彼女の幸せ

オレとアイルは時間の許す限り一緒に過ごした

週末はデートして
近場から色んな所へ出かける

アイルは滅多に、どこに行きたいとか
何をしたいだとかは言わないから

時には目的を作らずにアイルを車に乗せて
ドライブしたり
お互いの家でのんびり過ごしたり


ちなみにアイルはあれから
デートの時は少しおめかししてきてくれる


オレといる時だけだ(笑)


シンプル目だけどセンスが良い
オシャレな服を着て…


オレはアイルがこのまま
本来のアイルを取り戻していくのではないか…
なんて嬉しく思っていた


こんな風に少しずつ
色んな事が確実に変化していた




そんな日々を送るオレに仲間内で

〃付き合いが悪い〃

と苦情がくる…のは無理もない




久々に登場のワタルから
バレーサークルの練習試合に来いと
誘いが来る


……しつこい



『リョーキ付き合いワリーぞ、ったくよ~』

『忙しんだよ』


『仕事?なら余計にな!体動かそうぜ
明日9時な!』


根負けした

アイルに電話して
日曜、会えないかもと詫びる

アイルはイヤな顔ひとつせず
〃行ってきて〃と言う



電話を切ろうという時に
アイルがそれを止める


『あの…その試合ってさ、誰でも見にいける?』

『ん?…』



『…迷惑じゃなければ』


迷惑なワケが…ないじゃないか


オレはアイルにサークルのある体育館と
行き方を伝えた

ちっともノリ気じゃなかったハズが、少し…
いやカナリ…気合いが入ってきてしまう

入念にストレッチをして早めに寝た


『リョーキ久しぶり!!!』

『リョ~さん、ご無沙汰です!』


ワタルに大学の後輩、久々の面々に会い
試合の準備をする

ストレッチをしてアップする

試合…といってもサークルのチームを
2つに分けてする練習試合だ

引退した元選手、学生、一般の人
色んな人がいる

『リョーキお前ちと太った?跳べんのかぁ?』

『うっせーな。だから体動かしにきてんだろ~』

ジャンプ力なんか…すぐ落ちるよな
とか思いながらコートに立つ
ぐるりと客席を見渡す

…まだ、来てないか

試合が始まって動き始めると
体も段々感覚を取り戻す

元々スポーツバカなオレは
あがるトスを強烈なスパイクで
相手コートに叩き込む

楽しい

しばらく忘れてた感覚

楽しさを覚える

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