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Best name

第7章 彼女の幸せ

バコーン!!!

オレのスパイクを
相手コートにいたワタルが顔面レシーブした

…あ、ヤベェ

〃ワリィ、ワリィ〃とサインを送る

『~~っりょーきっ!オマエ~~!!!
狙ったな!?狙ったろ?!』

『うっせ!!!ド素人じゃねぇんだ!
手で上げろ、手で!!(笑)』


大声を張り上げた先に
ふと2階スタンド席が目にとまる

スタンド…前列の…端
アイルの姿をとらえた

白いノースリーブの上下を着て
静かに座っている



…アイルって
やっぱ…けっこー目立つよな…


少しボーっとしてよそ見したオレの顎に
ワタルのスパイクが直撃…

一瞬チカチカする

くっそ~~…アイルがみてんのに

ゲラゲラ笑うワタルに
徹底マークを仕掛けて狙い続けた


完勝だ



試合終了後
そろって体をほぐす

客席がほぼガラ空きになるころ

『あ、あの子』
『白い子っすよね~?誰かのツレかな?』
『あ、帰るっぽい♪オレちょっと行ってこよ』
『JKじゃねーよな?』
『ならワタルさんはアウトっすよ~
オレ行ってきます』
『オイお前~!待てし!』

……ワタル達が騒がしい

『…?』

ワタル達の視線の先には…



席を立とうとするアイルの姿…


『あー……ワリ。あれ…オレの彼女』








『『『…え~~~~~!!?』』』


コントみたいな雄叫びをあげるやつらを
シカトして帰り支度をする

『カノジョォウ?!リョーキ!
オレきいてねーぞぉ!』

『…言ってねぇし』

思えばワタルは仮にもアイルに面識がある
少し気まずい…か?

『リョ~さん、ついにJKですか?!
淫行っすよ!インコー!』

『20過ぎてるって…』

『どーりで付き合いワリーとおもったらよ~』

『~おつかれ』

ギャーギャー…
ブーイングをとばすワタル達を
スルーして出口へ向かう

少しはなれた所…木の陰にアイルがいた

『おぅ』

『ぁ…。これ』

アイルが冷えたペットボトルを差し出してきた

『お、サンキュ。アイル…~メシでも』
『メシ食いいこーぜ!!!』

ワタルに遮られる

『…って… ;』

『…ぁ』

アイルの反応…
アイルはワタルを覚えてたようだ

『彼女さんどーも!コンチワ!
オレ、ワタルです~』

『…』

ワタルは彼女を覚えてないらしい

アイルが気持ちオレの影に隠れて
ワタル達に会釈した

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