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じぶん克服日誌

第9章 何かひとつ


およそ一年振りの自転車。

そう遠くない距離だけど、
坂を二回超えるのはきつかった…。

足がだるい。



元気にしていました。


向かってる途中なんかは
緊張して手足が震えていたけれど、

会った瞬間には治まって手を振れた。



思い出話が大半で、
かつての仲間の進路と
旧友の近況も知ることができた。



変わらない夢のために踏み出した子や、
新しくやりたい事を見つけてそれを目指した子、

さまざまだけどその誰もが、

着実に次へと進んでいた。




焦った。


本当なら、
私も並んでいたはずだから。




「学校は一度辞めて、今は違うところに通っている」

私のことで言えたのは、
たったこれだけ。




片や大学受験。
片やもう一年。


この差は、途方もなく大きいけれど。





もし、今日あの時間に
何かひとつ変化を見出すならば、


たぶんもう、
昔の仲間には会いに行けるということだけだ。



小さな変化だけど、ひとつ。








会ってくれてありがとう。

拒絶しないでくれて、
ほんとにありがとう。

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