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文車に乗せた

第5章 逢瀬

表面がぶつぶつしたゴムを剥き取り、もうべとべとなそれを咥えると、まもなくして一樹は、私の口内で気を遣った。

一瞬だけ「確認」に口を開き、一樹に見せる。
それを一気に飲み干すと、薬のようにひどく苦い味が、私の中に広がった。

ああ、これで、終わり。
もう、言い逃れなんて、できない。
墓場まで、隠すしか、無い。

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