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文車に乗せた

第1章 硝子

一樹とやりとりする毎日は、どこか不思議な冷たさを感じさせた。

それは肌寒いようなものではなく、硝子のコップが手のひらに吸い付くように馴染んだ時のような、自然な冷ややかさだった。

私は一樹のテンポが好きだった。
軽快だけど、慎重さがにじみ出ていて。
彼は必要以上に己を語らないし、そのお陰で何も胡散臭くならない。
私はどんどん、一樹を信用し、信頼した。

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