
俺はッ…ノーマルだッ!
第1章 始まりは…
「っ…ちょっ…おいっ…!」
診察室で俺は何故か男に襲われそうになっている。
「しー。病院内では静かに…でしょ?」
「っ…!ふざけるなっ…お前がっ…あっ!」
男が背後から俺を抱きしめながらシャツの牡丹を外していく。
それに俺は男の手を掴み脱がせようとするのを止める。
「やめっ…」
「何で?お前だって…興奮してるんだろ?」
耳元で甘く囁かれピクッと肩を揺らし男を横目で睨みつけるが全く動じない。
「興奮なんかっ…してねぇ…っ…てか…俺はッ……っ!ノーマルだッッッ!!」
肘で力一杯に男の脇腹に向かって振り下ろす。
見事に命中し、男は「うっ…」と言ってしゃがみこんだ。
「はぁ…はぁ…」
「ゲホッ!…はぁ…ひでぇな。」
「っ!ひでぇのはお前だろ!!てか男になんか興味ねーんだよ!!」
息を切らし怒鳴る俺、板倉祐也(イタクラユウヤ)23歳。医師。
そして俺の体を触りまくる変態男の名は山崎隼人(ヤマザキハヤト)27歳。医師。
有名な医師だと言われ騒がれる山崎。イケメンで女子からのアプローチは凄い。
なのに…いつからかコイツは俺を隙あらば襲ってくるようになった。まだ未遂だ。いや、未遂じゃなきゃ困る。
山崎は咳き込みながら口元に笑みを浮かべ俺に言う。
「俺は興味あるんだけど?」
「っ〜〜〜!!」
最悪最低だろッッ。コイツッッ!!
