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恋と秘密と幼なじみ

第1章 ご褒美のお願い

「じゃあ……おちんちん、見せて」

純真な目でそう言われ、大野祥吾(おおのしょうご)は文字通り硬直した。
目の前の少女、鹿ノ倉陽姫(かのくらひめ)はふざけている様子ではなかった。

「えっ……と。何でもいいとは言ったけど……」

笑って誤魔化そうと試みるも、彼女の真剣な眼差しは緩むことなく祥吾を捉えて離さない。
確かに彼は試験で学年十位以内に入れば何かお願いを聞いてあげるとは言ったが、少女の希望は予想の斜め上を行くものであった。

「約束……破るつもり」
「えっ……いや……それは……」

無垢な十二歳の目は騙されたと嘆くように潤んでいく。
幼なじみとして、そして家庭教師としてこれまで築いてきた信頼関係が崩れてしまいそうだった。

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