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恋と秘密と幼なじみ

第8章 夏の足音

「どれ?」

祥吾は身体を起こして手のひらを胸の上に当ててくる。

「やっ……えっち」
「ドキドキしてるの確認してるんだよ」

悪戯をするときの彼の含み笑いは嫌いじゃない。
されるがままに陽姫は仰向けで動きを止めていた。

「どう? 感じる?」
「うーん……服の上からだと分かりづらいみたいだ」
「もうっ! そおやって脱がそうって作戦でしょ! そうはいかない! きゃっ!?」

逃げようとしたところを抑え付けられ、シャツの裾を捲られた。

「……汗臭くないかな」
「大丈夫」

身体を触られるのは大好きだけど、匂いは気になる。

祥吾は獲物を弄ぶ獣のようにゆっくりと、時間をかけてシャツを捲っていった。

彼に見詰められるお腹は、触られてもいないのに擽ったくなってくる。

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