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恋と秘密と幼なじみ

第9章 期末テストとえっちの両立

その夢物語を聞かされているうちに、祥吾も彼女のウエディングドレス姿を想像してしまう。

この美少女がどのような可憐で優雅な女性になるのかは分からないから、十二歳の姿のままの花嫁姿だった。

「でね、ハネムーンは南の島がいいの! にゅーかれどにあとか、ふぃじーとか!」

聞き覚えのある南国を口にしているようだが、それが地球儀のどこにあるのか指差せないのは間違いなさそうなほど、辿々しかった。

「俺はヨーロッパがいいな。イタリアとか、フランスとか」
「あー、それもいいね! ……んー……迷う……」

遠い将来の話なのに今決めないといけないかのように陽姫は真剣に悩んでいた。

その姿が馬鹿っぽくもあり、愛らしくも感じる。

思い切り抱き締めたい衝動に駆られるが、陽姫の母がいつ入ってくるかも分からない状況ではそれも叶わなかった。

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