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恋と秘密と幼なじみ

第11章 プールの中の恋人

「まずは泳ぐ?」
「えー!? 最初はウォータースライダーでしょ!」
「いきなりっ!?」
「ああいうのは時間が経てば経つほど混み始めるの! 最初が狙い目だから!」
「そんな水着で滑って脱げたりしないのか?」
「そんなわけないし! てか祥吾君怖いとか?」

図星を衝かれ、息を飲む。

「へぇー……大人のくせに」
「お、大人だから怖いんだよ」
「うわっ!? いきなり認めた! てか何それ? 大人だと怖いの?」

あんなもので喜ぶのは子供だと誤魔化そうとしたが、そんな手に陽姫が引っ掛かるはずもなかった。

気乗りしないまま、陽姫に引かれてスライダーのスタート地点へと続く階段を上っていく。

既に列が出来ており、階段の途中にある行列の最後尾に並んだ。
やけにテンションの高い彼女の隣で、祥吾は恐る恐る下を見下ろす。

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