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恋と秘密と幼なじみ

第11章 プールの中の恋人

陽姫は首紐が解けて外れかけた水着を必死で抑えていた。

「どうしようっ」
「マジかよっ……」

二人を乗せたチューブは勢いよく滑走している。
手を離せば転げ落ちるのは間違いない。

しかし緊急の事態に、先ほどまでの恐怖心は消えていた。

祥吾は躊躇うことなく、片手を離して抑えるのを手伝ってやる。
とはいえこの速度で首にかかる紐を結び直す余裕などない。
それにこのまま落ちて着水すれば手は離れて水着ごと流されるのは明白だった。

「ひめちゃん、着水する瞬間に俺に抱きつけ!」
「う、うんっ!」

落下は遂に最後の直滑降に差し掛かり、二人の視界の先に外の灯りが点のように見えた。

「いくぞっ!」

勢いが増す中、二人は身を寄せ合い、衝撃に備える。

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