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恋と秘密と幼なじみ

第11章 プールの中の恋人

水を切り、猛スピードで落下していく。

そして着水寸前に

「祥吾君っ!!」
「ひめっ!」

二人はギュッと抱き締め合いながらプールへと着水した。

チューブから投げ出された格好の二人は水中で揉まれるように回転する。
ゴーグルをしてないが構わず目を開けて陽姫を確認すると、何とか水着は流されていなかった。

陽姫は目を強く閉じて固まっていた。

(よく頑張った)

祥吾は水中でその唇に優しく口づける。
驚いたように目を開けた彼女は安心の笑顔を見せてくれた。

夏の陽射しが射し込むプールの中は、やけにキラキラと輝く世界に見えていた。

何とか水の中で水着を着け直し、事なきを得ることが出来た。

「ごめん。買ったばっかで着方をよく理解してなかったかも」
「もう二度と乗らないからな、ウォータースライダー」

さすがの陽姫も、ここは駄々を捏ねず頷くしか出来なかった。

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