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恋と秘密と幼なじみ

第11章 プールの中の恋人

大渋滞のプールでは満足に泳ぐことは出来ない。

ただ水流に乗って浮いているようなものだ。

祥吾は混雑にかこつけて顔を必要以上に近付けていた。

至近距離で見詰めあっているとどうしてもキスしたくなるのが恋人の因果だが、さすがにそれは人目に憚る。

もどかしい思いは陽姫も一緒なのか、照れ臭そうに笑いながら見詰めてきた。

祥吾ほ悪戯心が湧き起こってしまい、そろっと陽姫の太ももに手を置く。

「わっ……擽ったい……」

驚いた顔をしたが、嫌がる素振りはなかった。
ひんやりとしたももを手のひらでぷにぷにと揉んでいると陽姫は恥ずかしそうに辺りに視線を泳がせる。

流されている人たちはみんなはしゃぎながら水を掛け合ったり泳いだりと忙しく、二人を気にしている人はいなかった。

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