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恋と秘密と幼なじみ

第11章 プールの中の恋人

「祥吾君ってえっちの時だけたまに『ひめ』って呼んでくれるよね」
「え、そう?」

なんだか恥ずかしくて祥吾は白を切る。

「結構好きだけどな、わたしは」
「ひめちゃんだってさっき『お兄ちゃん』って言ってたよね」
「あれはっ……」

照れて必死になる顔が可愛くて思わず吹き出した。

「もう、馬鹿っ!」

ぷいっと背を向けたその後ろ姿を抱き締める。

「そんなとこも含めて、全部好きだよ」
「……うん。ありがとう」

背を向けたまま、陽姫は祥吾の手を握った。

このままずっと夏休みならいいのにな。
祥吾は何年か振りにそんなことを思っていた。


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