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恋と秘密と幼なじみ

第13章 人生終了のお知らせ

なかなか子供を授かれなかった夫婦にようやく生まれた娘ということもあるが、子供の頃は病弱だったというのも陽姫を溺愛する要因の一つとなっていた。

夜中に熱を出したときは車に乗せ病院に行くのは当たり前で、インフルエンザにかかった娘の看護という理由で会社を休むことも厭わなかった。

近所のみならず悪ガキ達に陽姫が泣かされたときなんか酷かった。

相手の家に怒鳴り込んで学校にもクレームを出すと騒ぐ彼を宥めるために祥吾も一役買ったほどだ。

とにかく愛する娘のためならなんでもする。
そんな父親だった。

「はあ……ハードル高けぇー」

分かっていたことではあるが、改めて整理してみると、陽姫との恋愛は簡単なものではない。

もちろん一番の理由は大きく離れた年の差である。

二十四歳と三十二歳という八歳差ならさほどの開きは感じないが、二十歳と十二歳ではどうしても犯罪の香りすら漂ってしまう。

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