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「てか……なんでそんなに好意的に俺たちのことを認めてくれてるの？」

当然の疑問が口から出た。

「なんでって、そりゃ許嫁だからよ」
「許嫁っ!?」

小説や漫画ではありふれた、しかし現実味はさっぱり湧かない言葉が飛び出し、祥吾も陽姫も声を揃えてしまった。

「そう。陽姫ちゃんが産まれたときに将来二人を結婚させようって決めたの。てかあんたもその場にいたし、結婚するって言ってたでしょ？」

「言ってたでしょって……俺八歳だろ、それ。覚えてねーしっ！」

「もしかして祥吾君って反対されて燃えるタイプ？」

「も、もう！　おばさんまでっ！」

陽姫は顔を真っ赤にして俯いていたが、嬉しさでにやけていた。

「とはいえ、祥吾」

和気藹々とした空気を一変にピリッとさせるほどの声を出したのは祥吾の父だ。

「お前はまだ学生の身分だ。そこのところは……わきまえてるな？」