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恋と秘密と幼なじみ

第4章 秘密の恋のはじまり

冷たい水がじわじわと浸透してきても、二人は目も逸らさずに見詰めあって動けなかった。

「ひめちゃん……」

ゆっくりと二人の顔が近付いていく。

祥吾は彼女の肩を抱き寄せていた。

「ふたりだけの、ひみつだよ……」

陽姫が囁く。

二人は更に岩の陰に身をすり寄せて隠れる。
親たちからは当然見えない位置だ。
更にどこかで隠れて鳴いている野鳥にさえも見えないほど身を潜め、二人は短く唇を重ねる。

「ッッ……」

ほんの少し触れただけで慌てて離れる、まるでいたずらのようなキス。

でも誰にも秘密のキス。

人に言えない、内緒の恋のはじまりのキスだった。

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