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恋と秘密と幼なじみ

第5章 葛藤と幸福

ちょっとした心の痛みを覚えるものの、陽姫の笑顔を思い出すと、気持ちが和らいでいく。

彼女を強く女として見てしまったのはあのテストのご褒美事件からだが、その前からそうとは自分でも気付かないうちに惹かれていた事実はあった。

薄着の姿に思わずどきりとして目を逸らしてしまったことも、公園で見掛けた陽姫が愉しそうに走り回る姿を目で追い掛けてしまったことも、今に思えば彼女を一人の女として見ていたことの表れだった。

しかし当時まだ小学生だった陽姫を「好き」だと実感することは、常識が邪魔をして拒んでいた。

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