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「そんな奴と旅行に行くのは赦せないな。海水浴は禁止」
「ちょっ……無理だって！　もう約束しちゃったしほのかちゃんも凄く愉しみに」
「駄目だ。それからその鬼沢という奴にも会いに行く。ひめちゃんは俺の彼女だからちょっかいを出すなって言ってやる」

いつも優しい祥吾だけに怒る姿はより恐怖だった。

「い、いいよ、そんなの！」
「よくない。なんなら学校に行って怒鳴りつけてやる」
「や、やめてよ！　そんなのっ……」

怒りの沸点に達した様子の祥吾を見ていると、まんざら嘘とも思えない迫力だった。

「なんてな。こんな風に束縛しまくりの奴なんてウザいだろ？」

祥吾は先ほどまでの怒りをスッと消して笑った。