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恋と秘密と幼なじみ

第6章 もう大人だよ!

「な、なに!? 今の嘘の演技だったわけ!?」

拍子抜けと共に今度は陽姫に怒りがこみ上げてくる。

「いや違うよ」
「へ?」
「半分本気。でもいやだろ、こういう奴」
「そりゃ、まあ」

嫉妬深くて束縛する彼を少し夢見ていたところもあったが、確かにあんな風に言われるのは鬱陶しいし、少し怖い。

「俺だって本当は少し嫌だよ。でも中学の時は友達と遊んで想い出を作るのも大切だから」

静かに微笑みながら祥吾は陽姫の肩を抱き寄せた。

「祥吾君……」

真っ直ぐ見詰めあうと照れ臭いけど幸せな気持ちにもなる。

下の階では母親が食事を作っているから無茶なことは出来ない。

二人は静かに唇を重ね、愛してることを確認しあった。

「明日ね……お母さんもお父さんも遅いみたいなの……」

陽姫が耳打ちすると祥吾は小さく頷いた。

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