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Baby love

第12章 すれ違い。




S「今日、お前からの話は何だったんだ。」



時間を作ってくれと言ったのはお前だろ。
その話もせずに帰るつもりか。



M「・・・・・」



S「言えよ。」



何聞いたって今の俺は驚かない。
こんなどん底の気分が今より下がる事なんて無いんだから。



M「見合い・・・」



S「え?!」



M「見合い、してきて良いよって言おうと思ってた。」




・・・・・聞くんじゃなかった。




S「なんだよそれ。
断るって何回も言ってるだろ・・・」



M「だって、断れてないじゃん結局!
ずっとお母さんと言い合いになってるし・・・」



S「それは・・・」



M「翔くんを信じてるから、
見合いしても俺は大丈夫って・・・
言うつもりだった。
俺の言葉は信じてもらえないだろうけど!」



ポロポロと零れた涙を、乱暴に袖で拭く。



S「潤・・・」



M「ゴメン、今泣き顔見られたくない・・・」



カバンを掴んで玄関へ向かう潤の腕を取った。



S「帰るなよ!」



M「逃げないから!」



涙目で睨まれて動けなくなる。



M「もう逃げないから・・・
お互い頭冷やそう。」



ホントに?
ホントに俺の元に戻ってきてくれるのか?



そっと腕を離すと、俺を真っ直ぐ見つめる。



M「また電話する。
明日も早いし今日はユックリ休んで・・・」




そう言ってたのに。







潤の嘘つき。



朝になっても、またその次の日になっても、電話なんかかかってこなかった。









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