Baby love
第25章 ご対面。
M「さすがに緊張してきた・・・」
玄関の前に立って、深呼吸を繰り返す潤。
なんか俺も喉がカラカラになってきたぞ。
S「せーので一緒にインターホン鳴らす?」
M「もう、ふざけないでよっ!」
ふざけてるつもりは無いんだけど。
ぷりぷりしてる可愛い潤にちょっと癒されたのは内緒。
S「よし。」
M「行こう。」
ピンポーン・・・
聞き慣れているはずのインターホンの音なのに、なぜか落ち着かない。
俺がしっかりしないと潤が不安がってしまうのに。
ガチャンとドアが開いて、
母さんが笑顔で迎えてくれた。
S「・・・ただいま。」
「いらっしゃい!
わざわざ来てもらっちゃってゴメンなさいね?」
少し申し訳なさそうに笑って、俺らを中に促す。
M「今日はすみません、お時間を頂きまして・・・。」
「とんでもない!こちらこそ申し訳ないわ・・・
私ったらついうっかり。」
S「うっかり話すなよ!」
「だって!翔が幸せそうだったから
お父さんにも話したくなっちゃったのよ!」
S「・・・」
俺が幸せそうだったから・・・
そんな風に言われたら怒れねぇじゃん。
M「あの、これ良かったら。
お父さんお好きかなと思って。」
「まぁ、ありがとう!」
潤が持ってきたのは、父さんの好きな日本酒だった。
この辺じゃあまり手に入らない物なのに、どうやって用意したんだ。
S「お前いつの間に。」
M「手ぶらじゃ来れないでしょ。」
さすがというか何というか。
母さんと笑顔で話す潤は、いつもより綺麗な気がする。
「お父さんもうリビングにいるから。
あまり緊張しないで大丈夫よ?
何かあったらお母さん加勢してあげるから!」
おお、母さんは完全に味方なのか。
自分が口を滑らした責任を感じているのか、やたらと張り切っている。
M「あ、ありがとうございます。」
ハニカミながら、頬を染める潤に
母さんがまた笑顔になる。
「昔のまんまね、潤くんは。」
あんたも何も変わってないものね、と俺を見て笑う母さんは、とても嬉しそうだった。