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Baby love

第25章 ご対面。




人生で1番緊張しているといっても過言ではない。
父さんがどんな反応をするのか、正直言って怖かった。



S「・・・ただいまー。」



ガチャリというドアの音がやたら耳に大きく響く。
3人掛けの大きなソファの真ん中に座っている父さんは、俺らを見ると顔を顰めた。



「座りなさい。」



挨拶する気もねぇのかよ。



M「・・・失礼します。」



S「・・・・・。」



父さんの正面のソファに2人で並んで座る。
険しい表情のまま、小さく溜息を吐いた父さんは、やっぱり聞く耳はなさそうだ。
別に構わない。



S「母さんから聞いたらしいけど・・・
単刀直入に言うよ。俺は、」



「運命の恋人とやらが居るらしいな。」



俺の言葉を遮って、機嫌が悪そうに話す父さん。



S「・・・ああ。」



「運命、だなんて恥ずかしい事を良く軽々しく言えるもんだ。」



さっさと話を終わらせたいというのに、
どういうつもりだ。
男を選んだ俺をバカにしているつもりか。
潤にも何か言うつもりならぶん殴ってやる。



M「・・・翔くん。」



よほど怖い顔をしていたのか、
隣の潤が心配そうに俺を見た。



ダメだな、ケンカしに来たんじゃないんだ。
俺が冷静にならないと。




S「運命なんて言葉は俺もバカみたいだと思ってたよ。今まではね。」



「・・・母さんの前でもイチャついてたそうだな。」



イチャついてたって・・・
玄関で押し倒されてた時の話か?
そんな話までしてんのかよ。



ジロリと母さんを見ると、
くるっとキッチンの方へ行ってしまった。
逃げやがったな。



S「・・・イチャついてねぇよ。
てかそんな話どうでも良いだろ。」



「なぜ俺には紹介出来ないんだ。」



S「はぁ?」



「母さんには紹介したんだろう。」



なんだ?
会話が噛み合ってねぇ。



「松本くんを連れてきて誤魔化すつもりか。
そりゃ松本くんに会うのも久しぶりだから嬉しいが・・・
10年ぶりくらいか?
しかし、今日はお前の恋人を連れて来いと言ったはずだ。」



S「待て。話がおかしい。」





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