Baby love
第27章 翔くんとお父さん。
「・・・すまん、立ち入った事に口を出してはいかんな。」
S「おい。なに目そらしてんだ。」
「その・・・いや、何でもない。」
S「・・・誤解だ。」
「なにがだ。」
なにがって・・・
ハッキリ言いたくはない。
「・・・別に構わん。
そういうのは、その・・・カップルで決める事だろう。」
S「だから誤解だ!!」
「なにがだ。」
なにがって・・・
だから言えねーよ!!
「意外ですよねぇ、翔が彼女の方だなんて。」
「!!」
S「!!」
・・・わりとハッキリ言いやがった!
M「お、お母さん、」
「でも潤くんも男らしいイケメンだし、不思議じゃないわよね。
翔、自慢の彼氏ねぇ♡」
うふふ、と笑いながら鍋の具をよそって父さんに渡す。
固まっている父さんが受け取らないので、テーブルに置いてまた別の小皿に具をよそう。
「あ、翔。こないだ湿布いっぱい買ってきたから、持って帰りなさいね。」
S「はぁ?!」
「コンサートとか色々身体使う仕事なんだから、腰は大事にしなさいよ?」
なんちゅー事を言い出すんだ母さんは・・・
S「いらねぇよ・・・」
「なんでよ。」
S「いらねぇったらいらねぇ!!
俺が潤を抱いてるんだ!!」
「ぶっ・・・!!」
「あらそうなの?」
S「あと普段から玄関でヤッてる訳じゃねぇからな?!
大概はちゃんとベッドだ!!」
「あ!お母さんが来た後だったから変に燃えちゃったのかしら!
ごめんなさいね潤くん。」
S「もう黙ってくれ!」
M「翔くんも黙ってよ!!」
涙目の潤が、真っ赤になって俺の頭をはたく。
M「もう、ほんとバカじゃん!
ご両親の前で何言ってんだよ!」
しまった・・・
ついムキになってペラペラと・・・
S「ごめん、潤・・・」
M「触んないで。」
S「潤〜・・・」
M「そんな甘えた声出してもダメ!
当分翔くん家にも行ってやんないから!」
S「ウソだろ?!
死んじゃうよ俺!!」
M「死ぬ訳ないだろ。」
S「冷たい!!」
プイっと、そっぽを向いてしまった潤の手をそっと握ると、チラリと横目で俺を見た。