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スケートリンクと溺愛コーチ

第4章 いきなり勝負!?



練習も終わり、家で無料トークアプリ、“LIME(ライム)”をしていたところ、ラファが話しかけてきた。



「杏莉、Ms.豊崎から話は聞いた?」



おそらく、というか絶対、アイススケートフェスティバルのことだろう。




「うん、聞いたよ。」

「勝手に決めちゃってごめんね。だけど・・・」



いつものやわらかな口調から一変、低い声に変わり、思わず顔を上げる。




「新しい子がきてから、なんかいつもと違う気がする。
もちろんどんな杏莉も好きだけど・・・。新しい子のことで何かあった?」



そういえば最近、家で柚ちゃんのことが会話に出ると少しそっけない態度をとってしまったかもしれない。


そこから私の異変を感じ取ったのだろう。



「・・・だったら何?」

「図星だね?」



柚ちゃんのことを考えるだけで、頭の中に黒い気持ちがわいてきて、イライラする。



なのにラファは、柚ちゃんの話ばっかりする。




「今は・・・次の大会に向けて集中したいの。柚ちゃんが今後どうなろうと、私には関係ない。そんなに柚ちゃんがきになるなら・・・」



『柚ちゃんのコーチになったら?』


そう言おうとして口を閉ざした。




「・・・なんでもない。ちょっと外出てくるね。」



スマホをつかみ、逃げるように外に出た。

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