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スケートリンクと溺愛コーチ

第5章 いきなり勝負!?Ⅱ

ー柚sideー



今日の練習のとき、紀子コーチから、杏莉様と勝負してほしい、と言われた。


聞いたときは驚いたけど、素直に嬉しかった。



でも、となりにいる杏莉様は。次の大会に集中したいと言った。



そりゃあそうだよね・・・



私なんかと勝負するの、杏莉様にとっては時間の無駄だよね・・・。




自分で思って悲しくなる。
でも、もう決まったことらしく、杏莉様はしぶしぶ了承した。




まさか杏莉様に勝てるなんて思ってない。

杏莉様は世界中に名の知れた大人気トップスケーター。



そんな人と勝負なんて、めったにない機会だと思う。



だからこそ、失礼のないようにベストをつくしたい。


そう決意して、プログラムを見直していると外に人影が見えた。


私の家は、住宅が密集しているところにある。


別に住宅街なのだから、人影がみえるくらい不思議じゃない。


でも、なんとなく直感で感じた。多分、私の杏莉様センサーが発動したんだと思う。


急いで窓にかけよってみると思った通り、杏莉様だった。



でもなぜ、こんな時間にこんなところへ?


頭の中が?でいっぱいになっていると



「わっかんないよ!」



と聞こえた。


なんだか杏莉様は辛そうだった。


そして杏莉様はくるっと背を向けて、歩いていった。




大丈夫かな、杏莉様・・・。



私に手伝えることがあったら、何でも言ってください。



そうつぶやいて、また作業に戻った。




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