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スケートリンクと溺愛コーチ

第2章 はじまり

ー柚sideー


「じゃあ柚さん、今日からSクラスで頑張ってくださいね。」

「はい!!」

受付をすませてスキップしながら更衣室へ向かう。
なんてったって今日から、“あの”杏莉様のいるクラス、Sクラスに通えるのだから・・・!


私、新田柚(にったゆず)は、3年ほど前からスケートを始めたド素人。

しかも始めた理由が、憧れの選手、黒瀬杏莉(くろせあんり)様みたいになりたかったから。

杏莉様は私と同じ、中学3年生。

同じ学年とは思えないほどに整ったビジュアルに、完璧すぎる演技、高い技術力がそろっていて、ジュニア女子スケーターの中では常にダントツでトップ。

6年前にテレビでたまたまスケートの大会を見て、そこで美しく舞う杏莉様にくぎづけになった。

それから親と交渉すること3年・・・
やっとスケートをはじめることができたの!



「るんるるんるる~ん♪」

「ずい分と上機嫌なのね?」

「え、あ・・・もしかして、いやもしかしなくとも、堀北綾子(ほりきたあやこ)さんですか!?」

「ええ、そうよ。」

綾子さんは杏莉様と同じSクラスの高校2年生。

美人で、色っぽくて、情熱的なダンスが魅力なの!

「あなたは・・・、確か、今日から入ってくる新田柚・・
・さんよね?」

「はい!そうです!」

わわわ・・・綾子さんに名前を覚えてもらえてたなんて、幸せ~。

「丁度よかったわ。リンクまで一緒に行きましょう。」

「もちろんよ?」

き、着替えてる綾子さんが色っぽい・・・

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