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FRIENDs -ars短編集-

第4章 ここにおいで A×M

Mサイド


一緒にオムライスを食べた時間。

すごく幸せな時間だった。


でも、一緒にいればいるほど苦しくなる。



「潤は仕事は?」
「今、就活中で…
面接は受けてるんだけど、なかなか…」


苦笑いしてから、出してくれた
コーヒーに口をつける。

雅紀が急に黙り込む。


呆れられたかなぁ…


「じゃあさ…うちで働きなよ!」


突然の展開にまだついていけてない。

うちでって、雅紀のとこで?

一緒に働けるの…?


「俺先輩がやってるお店でパティシエを___」


内容はあんまり入ってこなかったけど、
俺、働けるんだ。


顔を上げると満面の笑み。

ダメ?と首を傾げる。


俺はすかさず首を横に振った。


「雅紀…ありがとうっ!!!」


俺がそう言うと、雅紀は
大きく手を広げ俺に抱きつく。


胸がドキンと高鳴る。

ふわっといい香りがして、
喜びを噛み締めて目を閉じる。


ハグなんて、雅紀は何の気なしに
やってることかもしれないけど、
俺にとってはもっと雅紀を好きになる
材料でしかなくて。


「よかったぁ~!
明日店長に相談してみるね!」


元気にそう言う雅紀を見て、
ずるいやつだなぁなんて思う。


常に笑顔で、俺はそんなところに
惹かれたのだろうか…

わからないけどやっぱり好きだ。


叶わない恋だっていい。

これからもずっとそばで、
雅紀と一緒に暮らせれば。







次の日、雅紀と一緒に
例のお店へ行った。


「潤、店長の国分さん。」


会釈してから軽く面接をして、即合格。

明日からは普通に仕事を始められるらしい。


雅紀はこれからいつも通り仕事だから
俺1人で帰ることにした。


店を出て雅紀に手を振ろうと、
何気なく後ろを向いた時。

俺は見てしまった。










国分さんと雅紀が、キスをしている所を…



*to be continued…*

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