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×××だけのプリンス

第2章 S&N+O 次の標的(ターゲット)

智くんは、初めてのその快感に
意識を飛ばしていた。


激しくしすぎたかな…
これじゃ絶対明日の仕事が…


そう思った俺は、ナカから熱を掻き出して
寝やすい体制に変えてあげて。

できる限りのことをして
まだ不安は残しながらも目を閉じると、
俺も疲れたのか、パッと意識を手放した。






夢を見た。

この計画が成功する夢。


全てを俺の手に握った瞬間、
ふと目が覚め重い瞼を開ける。


「へ!?え!なんでっ?俺…
もしかして、ヤったの…?」


身体を少し起こすと、
大きな独り言を言っている智くんの後ろ姿。

俺は少し笑みを浮かべた。


「そうだよ?」


その独り言に答えると、
智くんは弾かれたように後ろを振り向く。

ひどく焦った顔が見え、自然と笑みが零れる。


覚えてないの?と悪戯に問いかけると
智くんは目の端に涙を溜め、
今にも泣き出しそうだった。


「そんなに俺とヤるのは嫌だったんだ…」


言いながら俺は両手を頭の後ろにやり、
寝転がって天井を仰ぐ。


「だって…」
「でも煽ったのは智くんだよ?」


智くんが何か喋ろうとしたのに
被せ気味にはっきりと宣言すると、
智くんは本当に覚えてないらしく
眉を下げ口をパクパクさせている。


そんなに酔っ払ってたかな…


本当は覚えてるんじゃないかと
問いかけようとしたとき、
昨日セットしたアラームが鳴りだした。


あと1時間で仕事の時間。


「あ、用意してくる。」


クローゼットから適当に服を出して、
素早く着替えてリビングに向かう。

そんな俺に、智くんは腰を
庇いながらついてくる。

やっぱり激しすぎたなと改めて認識する。


朝ご飯くらいは作れるから(失敗したけど)
せめてものお詫びにご飯は2人分用意した。


マネージャーから連絡が来たことを
智くんが知らせてくれる。

その顔は、少し寂しそうにも見えた。
でもそれは気のせいだと1人で納得して
急いでご飯を完食する。


智くんは今日は午後かららしいから
着替えて帰るように言って家を出た。



車に乗っている間も、
智くんちゃんと帰ったかなとか。
腰大丈夫かなとか。

気になることはいっぱいあるけど、
取りあえず、計画は成功に終わった。





最後の砦は、松本潤。

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