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『ヒボクリトの贖罪』 大阪在住40男とメイド達の非日常性活

第15章 2度目のさよなら。

私は40年生きてきて
恋愛から多くのことを学びました。


ほとんどの恋愛は
その瞬間がピークであること。

思い出は美化されること。

思い出を引きずるのは男のほうで
女性は熱か冷めると極端なリアリストであること。

誰かを忘れられない反面
誰かのことを容赦なく忘れていること。

そして、
お互いの思いは
ほとんどの場合、噛み合わないこと。

私は彼女の思い出を大切にしている一方で
多くの女性の記憶を失っています。

全ての時間を平等に扱いたいと願いながら
本心の部分では
無意識の内に区別をしていると思います。


私の思い出は既に真実なのかもわかりません。
都合の良い嘘を自分自身についているのかもしれません。
それに、
私の中で彼女は特別な存在ですが
彼女にとって私が特別である保証など何もありません。

普通で考えれば
20代の彼女にとって私のような中年男は、ほぼどうでも良い存在、
もしくは忘れたい記憶なのかもしれません。

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