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Best name ~ 追憶 ~

第3章 私の大切な人

『ソウタさん…ええと、自分…

この度、アイルと・・・アイルさんと
交際することになりまして

そのご報告に…来ました』














気難しそうな顔をしていたソウタさんは

彼の言葉にパッと笑顔に…

いつものソウタさんになって

『それは良い話だ』と

喜んでくれた。






文字通り

すっ飛んできてくれた彼は、仕事中…

早々に戻らなければならない。





『じゃぁな?アイル』




そう言って席を立ち
ソウタさんに一礼して
急いで行ってしまった。







ちょっと・・・・・



まってよぉ~~・・・









なんて言えず、私は・・・(苦笑)















余談だけれど

彼に『愛留』と呼ばれる私を見て、か


ソウタさんは、この頃から自然と私を

また『アイル』と

呼んでくれるようになった。




ワガママな娘に
心底振り回された
ソウタさんだったことであろう・・・(反省)






『いや俺ぁ~そうじゃないかと
思ったけどナァ~~アイ?♪』

『・・・』



気まずい・・・

のは、仕方ないかな。




『フフン…そうやってなァ♪
色々経験しろ~~?いいことだぞ?
これから青春してだナァ~~♪ハハッ』

『・・・』




『楽しいこといっぱいあって
イイんだかんな?アイル~~…』

『・・・』






『アイルお前~…オトコ見る目は
ちゃぁんとあるみてぇだな?(笑)
安心したぜよ?♪』

『・・・ぇ?』







『アイツも中々、オンナ見る目は
あるじゃねぇか?(笑)フフン』

『???』






『まぁ、いいってコトよ(笑)
しかし~アレだけは
気ぃつけろよォ オマエ~~?(笑)』

『?』






『アレだよ〃アレ〃!
ヒヤっとしたぞ俺ぁよぉ~~ったく』

『・・・』









どうにも気まずく
恥ずかしくて、どうしようもなかったけど

私は
本当に喜んでくれているソウタさんの姿が
本当に嬉しかった。

恩返しなんてまだまだ程遠いけど
ソウタさんが笑ってくれていることが
私は、ただただ嬉しかった。






ソウタさん・・・


私・・・やりなおせるよね・・・。






私・・・また一歩


踏み出せたよ。


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