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　気が付けば、水戸さんは、どこかの喫茶店にいた。


　目の前には、なにかの肉が置いてある。


『？』


　これは、なんなの？


　メニューを見る。


　コーヒー（温・冷）


　カフェオレ（温・冷）


　ミックスジュース（温・冷）


　ババロア


　チョコレートパフェ


　パンケーキ


　サンドイッチ


　肉（鹿）



『……』


　これだと思った。


　ダイレクトに肉って書いて、さらにドカンと塊で出すかね？


　調理もなにもしていない。このまま食えということだろうか？


　水戸さんは、とりあえずかじってみた。


『！』


　馬っ!!


　いや、鹿だ。じゃない、旨いってことを言いたい。


　あのままだと、馬鹿になってしまう。


　これは美味しいと、鹿の生肉を無言でむさぼる。



　だが、さっきから気になる男性客が、ななめ前にいる。


　なにやらパソコンでカタカタしながら、ガツガツ物を食っている。


　どれだけ食べたのだろうか？


　皿と伝票が、かなり積んである。


　よく店にあれだけの器と、伝票の束があったものだ。