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MITO

第4章 初勤務

 電車とバスを乗り継ぎ、少し山手に入るところ、坂道の多い高級住宅街が現れる。


 バスに乗っていた水戸さんは、そこでバスを降りた。


 運転手さんが言った。


「ここでバスを降りるって、あなた、家政婦さんかい?」


『そ゚う~で゚ご゚ざ゚る゙(はい、よくわかりましたね)』


「そりゃ、わかるさ。この辺に住む人は、ほぼ高級車乗ってるし、バスを使う人っていないからね。リムジン見た日にゃ、ため息がでる」


 水戸さんは運賃を入れて、バスを降りた。


 水戸さんは、ハッと気が付いた。


 自分の言葉を理解してくれた人がいた。


 世の中には、そんな人もいるんだと、初めて知った。


 水戸さんが地図と住所を頼りにやってきたのは、この地域内でも、最も大きな家とされるところだった。


 お城の様な、大きな門が水戸さんを出迎える。


 さっそくインターホンを押す。


『♪〜♪♪〜♪』


 マクドナルドのレジの裏から聴こえるような、音がした。


『はい、どちら様でしょう?』


『く゚』


『はぁ?』


 まあ、そうなるだろう。



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