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MITO

第4章 初勤務

「いいわ、来なさい」


 馬場が水戸さんを手招きで呼んだ。


「私についてきなさい」


 馬場が家の中に入っていくと、ワラで編んだマットのようなものをめくった。


 そこに、マンホールのフタのようなものがあった。


「氷辻、お願い」


「かしこまりました」


 氷辻が、そのフタを開ける。中には下に続くハシゴがあった。


「水戸さん、私の後から下りてきなさい」


『ま゚』


 馬場がゆっくりと下りていくと、後から水戸さんが下りていった。


 徐々に下から明かりが見えてくる。


 下までくると、広く大きな部屋が現れた。


 床には赤い絨毯がしかれ、天井にはシャンデリアがいくつも吊るされている。


「実は、私の屋敷は地下にあるの」


 まさか脱税?


 水戸さんは、そう思った。


「私、寝る時と、入浴以外は、野外生活するのが好きなの。来なさい」


 奥にはいくつかドアがあった。


 一番左端のドアを開ける。




 トイレだった。


「ごめんなさい、間違えたわ。普段、ほとんど上で野ションと野糞だから」



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