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月の降る夜に

第2章 嗤ウ宵ノ月

つう、と閉じられた少女の眼から一筋の涙が滑り落ちた。

縫いとめた手はそのままに、涙を口付けで舐めとる。

瞼を少し震わせてゆっくりと少女が瞼を持ち上げた。

驚きの色を見せたのは一瞬。直ぐにキッと睨みつけられる。

「無礼者!!私が何者か存じた上での狼藉か!」

キャンキャンと虚勢を張っていても、きっと拘束が解かれないことは理解しているのだろう。

「もちろんだ。黎明(リーミン)の公主、様」

少女の耳元で声を潜めて続ける。

「貴女の連れていた召使い及び護衛は俺が捕らえた。……その秀才と名高いお頭なら意味なぞよくご存知だろう?」

その者たちの命も何もかも、俺の手の中だということ。

「あの者らが大事なら、俺に従え」

縫い止める手に加える力を強めれば、怯えた顔を見せる。
その顔を悔し気に歪ませて、抵抗することを諦めたようだった。


………つまらない。


顎をすくい上げて、固く閉ざされた口に口付けた。
唇を舐め、口をこじ開ける。少し空いた隙間に舌を滑り込ませて口のナカを蹂躙した。

舌を絡ませ、歯空をなぞり、少女が何も考えられなくなるように。

唇を解放するとどちらのものとも知れぬ唾液が名残惜しそうに二人の間をつないでいた。

少々乱暴に合わせに手を伸ばして、はだけさせる。

形の良い鎖骨。雪のような白い肌に、唇を這わせ甘噛みして紅い華を散らした。

なまじ肌が白いだけに紅い色が余計艶かしく映る。

頭上で縫い止めていた手を外し背を浮かせ、一気に腰まで上衣を下ろした。

まろい双丘が露わになる。その頂は確かに主張していた。

左手で片胸を揉みしだき、もう片方の胸を下から持ち上げるように舐める。

舌が頂にかすめると、っあ、と吐息が漏れる。

感じ方は良いようだ。

そのまま頂を口に含み舌で転がす。

「っん、あ、ふ、くっ」

唇を噛んで声を抑えようとしているようだ。

すぐに快楽を求めて来るような女は願い下げだが、声を抑えるなど普通の女のような振る舞いも気に入らない。

左手で頂を摘み上げた。

「ヤッ」

グリグリと指で弄ぶ。

その度に腰がピクリ、ピクリと揺れるのに声は強情にも漏らそうとしない。

胸に吸い付き、激しい刺激を与える。

それにも、ん、とくぐもらせた声を出すだけだった。


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