肝だめし
第1章 墓地
「ひ~っ」
「いや~!」
「きゃああああ!」
闇夜に響き渡る男の叫び
全力疾走で畦道に突入すると、もつれる様に中村んちの前に転げ出た
「はぁ!はぁ!はぁ!しんど!」
心臓バクバク、息が苦しい
全員足を投げ出して地面に座り込む
「あ~こわ!逃げんなや!」
伊藤が汗びっしょりで叫んだ
「お前も走ってたやないか!」
「そらお前らが走るからやろ!兵隊さんはあかん!」
「あは、ははっ、兵隊さんな、あはは、マジで怖かったな」
さっきまでの緊張が解けて笑けて来た
「とりあえずよく入ったな」
「うん頑張った…」
三人だけでも肝試しを成し遂げた
頂上まで行けなかったのは心残りだが、逃げずにあの中に入っただけで凄い
俺は達成感でいっぱいだった
時刻は既に四時過ぎ、もちろん朝から学校だ
「よし帰ろか」
「うん、寝たい…」
「ほなまた3時間後な」
「おつかれさん♪」
録音したテープは後日聴く事にして、これにて解散となった