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肝だめし

第1章 墓地


中学3年の冬

学校か終わっていつも様に友達5人と帰ってた

その中の一人、中村の家が帰り道のはずれにある

今まで何度も遊びに行きたいと言っては断られていたが、この日初めて許しが出た

山の急斜面に建つその家は立派な三階建て

道はそこで突き当たりになっていて、その先は木がうっそうと生い茂る裏山だ

細い畦道が奥へと続いている

冒険がてらみんなでその畦道を辿って行くと、森を抜けた所でズラリと並ぶある物が見えた

「うわ!」

墓石である

それも整然としたお墓ではなく、砂利道に沿って適当に墓石を並べた感じ

なんて古風なお墓だろう

「こっち側お墓なんや…お墓の横に住んでて怖ないの?」

一人が尋ねた

「ん〜ずっとあるのが当たり前やから気にならんな~」

これが住んでる人の素直な気持ちなのだろう

この時はまだ日も高く、俺もそんな怖いとは思わなかった

しばらく散策した後、中村の家に上がり込む

その時はお墓の事など忘れて遊んでた



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