肝だめし
第1章 墓地
やがて日も暮れ、そろそろ帰る事に
階段を下りて玄関まで来た時、なにか異様な気配を感じた
「ん…?」
それは靴箱の上にある小さな窓からだった
俺は誘われる様になんとなく窓から外を覗いてみた
「うわっ!」
そこには昼間見と時とは違う、漆黒の闇に包まれたお墓があった
木々の間にうっすらと見える墓石が、とてつもなく異様な空気を放ってる
「怖わ!ようこんなとこ住んでんな!」
思わず叫んだ
「だから馴れやって(笑)」
中村はあっけらかんと言う
「絶対霊がウロウロしてるやん」
「そんなん今まで見た事ないし」
お互い笑いながら話しているけどかなりビビってた
回りのみんなも怖い怖いと大騒ぎ
俺もしばらく怯えていたものの、その盛り上がりになぜかテンション上がる
そして一度はやってみたかったアレを思いついた
「なあ、ここで肝試しせえへん?」