肝だめし
第2章 異変
写真は中村が現像して持って来てくれた
怖くてまだ見てないらしい
正直、俺もかなり不安
なんせ深夜のお墓で撮った写真である
もし心霊写真が真実ならば、ここで写らずにどこで写るのか
「やっぱり嫌やなぁ…」
もし俺の後ろに恨めしそうな女が立ってたら、その瞬間に人生が変わるだろう
見えない者が存在する世界で生きてかなきゃいけないのだから
しかし今さらみんなの前でビビる訳にはいかない
俺は平静を装って写真を取り出した
まずは中村が出てこなかった時に畦道に向かって撮った写真
3回フラッシュが点かなかったやつ
「別にやなぁ…」
手前の街灯の明かりがボンヤリ見えるだけで怪しげなモノは何もない
この写真が一番不安だったのでホッと胸を撫で下ろした