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肝だめし

第4章 金縛


石原さんの話しによると、まずは畦道前で酒と塩をお供えする

それから写真とテープを燃やしながらお経を詠むらしい

そういや三年前にもコックリさんを失敗して似たような事をした事がある

前回は女子がいたから許せたものの、男三人が並んで手を合わすなんて気持ち悪いったらありゃしない

その手順とやらも細かく面倒くさいし、苦労して撮った写真やテープを燃やすのも気にいらない

「ショウはどうすんねん?」

中村に聞かれて言葉に詰まる

「ん~~~~」

石原さんの前で無下に拒否する訳にはいかないので
、とりあえずその場から離れた

「なぁ、マジで謝りに行くんか?」

「うん行く!お前は行かんのか?」

伊藤はともかく中村までもが喧嘩腰

「だって写真燃やしながらお経詠むって、他の人に見られたら危ない人やで?」

「じゃあ来んなよ!俺らだけで行くわ!後でどうなっても知らんからな!」

半笑いで聞いたのが癇に触ったのかキレ気味に返された

少しは行ってもいいかなと思ってた俺も、こんな言い方されちゃ引き下がれない

「どうもなるか!誰に謝んねん?アホらしい!」

売り言葉に買い言葉

こうして俺は謝る機会を失った




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