肝だめし
第4章 金縛
「やっぱり謝りに行きたいんやけど…」
中村は教室にいた石原さんに声をかけた
「何かあったやろ?」
彼女は全て見透かしてるかの様に聞き返す
「うん、金縛りに遭ってて…」
それを聞いて彼女の顔が険しくなった
「始まったんや…。急いだ方がいいかもね。行くなら伊藤も連れて行った方がいいよ」
始まったって何が?
凄く気になったが聞くタイミングを失う
ここで中村が伊藤に声をかけた
今までこの話になると無視してきた男が謝りに行くと聞いて飛びついてきた
「行く行く行く!」
「まさか、おまえも金縛りに遭ってんの?」
伊藤に尋ねる
三人同時なら、さすがに認めざるをえない
「いいや…。でも、もうあんなん嫌やし」
「あんなん?」
あんなんがどんなんかはいくら聞いても言わない
熱を出して寝込んでた時、何かしら霊的な現象に見舞われてた気配がする
とにかく二人は謝りに行く気満々だった