肝だめし
第5章 浮遊
数日後、その夜は寝付けないでいた
時計に目をやると午前2時過ぎ
寝返りをうって仰向けになり、あらためて目を瞑ったのを覚えてる
それから何分経っただろう、内容は覚えちゃいないが夢を見始めていた
完全に眠るかどうかの境界線
すると突然目が覚めた
でも身体だけが眠りに落ちていく感覚
そう金縛りが始まった
「またか…」
もう慣れっこなので焦らずに解けるのを待つ
「眠りから脳の一部が目覚めてるけど、体は眠ったままで動かないのが金縛り」
正しいかどうかは別にして金縛りになる度にそう言い聞かせてた
「1分も経てば解けるはず…」
そう信じてひたすら我慢する
だが、この日はいつもと何かが違った