肝だめし
第5章 浮遊
いつもより異常に体が重い
上に2人ぐらい乗ってるような
さらにキーンという聞き取れないぐらいの高音で耳鳴りがし始めた
「なになになに!?」
仰向けで寝ていたはずの体が突然うつ伏せに変わった
「えっ!?」
寝返るとか転がったのではなく瞬間的にうつ伏せになったのだ
金縛りは続いたままで身動き出来ないし、何が起こってるのか全く分からない
もうジッとしてるなんて無理
「ん~!ん~!!」
俺は全身の力を振り絞って暴れ始めた
いや暴れてるつもり
実際は手足に力が入らず微動だにしない
疲れるだけと分かってても怖くてジッとしてられなかった
その時
「………!?」
人の気配がした
視線というか空気というか、とにかくこの部屋の中に誰かがいる
「ん!…ぁ!…あ!」
俺はパニックに陥り、出ない声を振り絞って叫ぶ
「こいつが出てくるとヤバい!」
直感でそう思った