
肝だめし
第1章 墓地
もちろん俺に霊感などないが、これは何かヤバイものを感じる
近くのも怖い
でも学校で肝だめしすると言いふらした手前、挫ける訳にはいかなかった
俺は覚悟を決めて恐る恐る玄関前に近づいく
決して畦道を見ないように
中村の部屋の電気は点いている
はよ出てこい!
ヒビリながら出てくるのをひたすら待つが、一向に出て来る気配がない
「まさか寝てんのか?」
ピンポンを押す訳にもいかず、口笛を吹いてみたり、自転車のベルを鳴らしてみてもダメ
「おい頼むわぁ…」
この時、中村が出て来た瞬間を撮ろうとカメラを構えていた
手持ちぶたさになった俺は、なんとなくカメラを畦道へ向けてシャッターを押してみた
カシャ!
「えっ??」
フラッシュが点かない
