肝だめし
第6章 殺意
その晩から枕元に御神刀を置いた
御神刀と言っても小学校の修学旅行で買った土産物のショボイやつ
もし人間に切りかかったら、あっという間に割れちゃう様な代物だ
でも伊勢で買ったので何かしら御利益がある気がする
どうせ相手も実体ではないから強度は関係ないだろう
それからは金縛りはあるものの、あの夢か現実か分からない現象はなく、ヤツが現れる気配もなかった
それが御神刀のパワーかどうかは別にして、もう終わったんだと思い始めていた
数日後の深夜
それはいつもの金縛りから始まった
馴れたと言っても気持ちの良いモノではない
「はよ終われ…」
天井を見上げながら、心の中で吐き捨てる様に呟く
「えっ!?」
気がつくといきなりうつ伏せになっていた
あの時と全く同じ
と同時に物凄く嫌な気配を感じる
前回とは比べ物にならない邪悪な気配
「来た!」
御神刀に手を伸ばそうとするが腕に力が入らない
その気配は言い現せないほど強烈で、見なくても押入れから溢れ出てるのが分かった