肝だめし
第6章 殺意
直感で殺されると思った俺は、もがきにもがいて何とか四つん這いまで持っていった
でもそれ以上は動けない
「!!!!!!!」
いきなり凄い耳鳴りがして、邪悪な気配が押し入れから出て来るのが分かった
背中越しでもビンビン感じる
「あぁ…」
前回みたいな余裕は全くなく、あるのは殺されるという恐怖のみ
戦うなんて思ってた自分の愚かさを思い知る
ヒタ…ヒタ…
目は開けられないが、俺の左側をゆっくり移動してるのがわかる
やがて俺の顔の位置まで来ると、ソイツは俺の左頬を舐める様に覗き込んだ
ハァ…ハァ…
生暖かい息がかかる
「た…す…けて…」
このまま失神するか壊れてしまいそう
しばらく覗き込んだ後、何故かそいつは後ろへ下がり始めた
ヒタ…ヒタ…ヒタ…
このまま帰ってと願った瞬間
ガシッ!!
いきなり髪の毛を鷲掴みにされ、凄い力で後ろに引っ張り上げられた
「ゔ、ゔぇ~!!!」
背骨が折れんばかりに仰け反った