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肝だめし

第6章 殺意


この目を閉じたにらめっこは3分以上続き、もう恐怖に震えるのも疲れてきた

「もうええわ…」

そういや前回も同じ心境になったっけ

案の定、その後も同じ展開になる

「なんでここまでされなあかんねん!」

怯えから怒りへ

恐怖がデカかった分、裏返った時の怒りは凄まじい

「ざけんな!殺れるもんなら殺ってみい!先にてめえをぶっ殺$¢£%&@Ж…」

放送禁止用語連発で暴れまくる

でも悲しいかな金縛りは続いたまま、フガフガ言いながら微かに体が揺れるだけ

それでも噛みつかんばかりに暴れ続けた

しかし状況は変わらない

疲労困憊で力が入らなくなってきた

腕がだらんと垂れ、上半身は髪を掴まれた手にぶら下がる

その時、女の唇が微かに動いた

「……ぁ……ぇ…」

何て言ったかは分からない

「あ、死ぬんや…」

薄れゆく意識の中でそう思った

次の瞬間、生首も手も消えて俺は布団に倒れ込んだ

「!?」

すぐ起き上がって回りを見渡すが誰も居ない

終わった?

心底ホッとしたものの、まだ夢と現実の狭間にいる様な感覚が続いていた


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